モヤモヤが止まらない。そのモヤモヤは、あなたに「答えを急ぐな!」とシグナルを鳴らす?!
最近、モヤモヤしている自分にふと気づくことがあります。いったい何で、どうしてなのか。自分の中で、なんだか感情がモゾモゾして私に訴えているように思えました。でも、なぜそうなるのか、自分ではまったく思い当たらなかったのです。
あなたも、こんな経験はありませんか?
こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。
今回は、あなたに新たな気づきを伝える“モヤモヤ”についてお話しします。まずは、私の経験からお話ししましょう。
最近、自分がモヤモヤしていることに向き合う。
いったいどんなことでモヤモヤしているのか、自分はよく分かっていない。そこで、自分のモヤモヤを振り返りながらざっくり書き出してみた。そうすると、そのぼんやりしたモヤモヤが10個ほど浮かんできた。それらは「自分ではコントロールできること」と「自分ではコントロールできないこと」に分類できた。
分類してみたら
「自分でコントロールできること」は、自分でやろうと思えばできることなのに、出来ていない。それは、さっさと効率よく解決すればよいと思う自分と、それでよいのかと問いかける自分が存在していた。出来ていない自分を責め、やる時間を作っていない自分にイラ立ちを感じていたことが、モヤモヤの原因だと分かった。
もうひとつの「自分でコントロールできないこと」は、自分でどうすることもできないと分かっていても、つい気になっているものだった。たとえば、ウクライナでの戦争の影響、自分の人生の終末期、正解を求める社会風潮への違和感など、将来への不安や予測が立たないことばかりで、それを考えるとネガティブな思考が働きそうになるのだった。
自分のモヤモヤを言語化したことで、自分の気持ちが落ち着き、そしてラクになった。
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客観視することで分かること
「自分でコントロールできること」は、私自身が解決できることもあるが、しっかりとプロセスを踏んで一つひとつやり遂げていきたいと思っているものもあった。そのために考える時間を望んでいるのだと理解できた。時間が生み出せないからモヤモヤが止まらないわけだ!
「自分ではコントロールできないこと」は、自分でどうすることもできないことだと分かっていても、思考し続ける可能性がある。ネガティブ思考に自分を捉えがちになると、セルフエスティームは下がってしまい、前向きに行動しようとは思えなくなる。どうなるかわからない未来は、誰も答えを出せるわけがないのだが、それでも私たちは、考えることを止めてはいけない。未来は柔軟性をもって自分を信じて、知恵をだして生きるだけなのだ。
モヤモヤの中身は、すぐに答えが見つからないことばかり。自分のモヤモヤとじっくりと向き合う時間が必要だということだ。
私たちは、効率重視の世界を生きている
喜怒哀楽があることは、人生を豊かにするのは事実ですが、感情をコントロールするのは難しいものです。
社会に出たら、自分の感情はコントロールするもの、コントロールしなければならないと考えてしまいがちですね。そして、日々起こる出来事は、"効率的に難なくこなしていかなければと、懸命に生きている" 私たちです。
不確実性の社会で、未知の仕事に遭遇すると自分でゼロから思考しなければと、不安や焦りからモヤモヤが出たりします。そして会社の人間関係がギスギスとしてきたり、将来への不安からモヤモヤが止まらなくなることもあります。
確かに仕事の世界では、効率やタイパを重視しています。ですから、仕事以外の人生も同じように答えを早く出して、問題を解決することが大事だと思えてくる。早くスッキリしたいと、自分を急き立てて安易な答えに飛びつき、解決を急いで生きているのかもしれません。
学校教育もまた、「正解を教える」ことに時間をかけています。「どう導き出せばよいのか」と自分で考える、そして友達と話し合う時間は、与えられていない。進学するために試験で好成績を取らなければ、未来が得られないと思うからだ。土日もなく夜遅くまで塾に通い、人とのかかわりが希薄になっているように思います。
子供たちは、有名大学に入ることが目標と信じて学び、大学を目指す。その多くの若者が、社会人となって働きだすと、「自分はこれから先、何を目標に、どう生きたらよいかが見えない」とモヤモヤを訴えているのも事実だ。なぜなら社会は、正解がない世界だから。自分の未来を「どう導き出せばよいのか」という”自分で考えるプロセス”が必要です。
でも「どう導き出せばよいのかわからない」と、私たちの脳は、それを「無かったこと」にしてしまいます。つまり「考えない」ことを選択するのです。
そのモヤモヤを「考えない」ということは、自分の心の内にモヤモヤを押し込んだまま生きるということ。自分の未来を閉ざしてしまう思考停止状態で生きているのと同じです。
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あなたも、いろいろなモヤモヤを持ちますね。そんなモヤモヤを考えている時、もしかすると「まあ、これでいいか」と、あまり考えずに自動思考(今までの経験で得られる思考)で、答えをだしているかもしれません。 それって、無意識に「考えない」という選択、思考停止モードを選んでいます。
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自分のモヤモヤとじっくりと向き合う時間をもちましょう。モヤモヤは、あなたに「考える時間を持とう」というシグナルです。
そのモヤモヤは、むしろあなたに「考える時間を生みだして!」というシグナルです。ゆっくりとリラックスして考えることで、「創造性のあるアイディアを生み出す力を発揮できるよ」と伝えています。「答えを急がない勇気」を持つことが重要です。
最近メディアで聞くことが多くなってきた、ネガティブ・ケイパビリティは、安易な答えに飛びついたり、中途半端な知識で合理化しようとしたり、既存の答えに頼って思考停止したりすることなく、不確実で曖昧な状態を受け入れ、その状態にとどまる能力といわれています。
現代のような不確実な社会に生きていくには、ある意味受容する力が大事になっているのでしょう。ただ受容するだけでなく、受容しながら柔軟に自分らしく切り抜ける道を見つけだす知恵が生まれてくるまで、粘り強く漂う力が必要なのです。
効率重視も必要ですが、「答えを急がない勇気を育てる」ことも大事です。安易な答えに飛びついたり、中途半端な知識で合理化しようとしたりしない、自分自身で思考していく時間が、いま必要になってきています。「とりあえず、これで良い」ということでなく、「どんな方向に進みたいのか」と自分の道を見つけていくプロセスを大事にして生きていきたいものです。
モヤモヤと向き合うことの重要性
そのためには、自分と語り合う”思考の時間”を持ちましょう。モヤモヤの一つひとつに自分は何を感じているのか、どう考えているのか、どうしたいと思っているのかと、思いを巡らしてみる。
答えを出すためでなく、自分はどんな人間かを知るためです。もしかするとジレンマが生まれるかもしれません。または世界をよく知るために文献を読み漁るかもしれません。自由に思いめぐらす。友人と話す。「好奇心をもって、共感力、創造性やアイディアを生み出していく思考のプロセスの時間を持とうよ」と言うことです。そして、それを言語化していきましょう。
時間に追われて生活をしていると、”もう無理”と諦めてしまうかもしれません。どうやって時間を生み出すか、悩むかもしれません。
「どうやって時間を生み出すか?」それ自体が、一つの重要な”思考の時間”になりますね。
あなたの人生を創りだす時間です。孤独になる時間。コーヒーを一杯飲む時間でも、よいと思います。考える時間を生み出すための「自分の居場所を作る」ことは重要です。
私がフルタイムだった時は、家に帰る前に、かならずコーヒーショップに寄って、孤独になる時間を作りました。今でも、孤独の時間を大切にしています。自分がモヤモヤを深く考えている時は、不思議とそれに関する知恵が浮かんだりします。
孤独な時間を持つことで、やり抜く力が湧いてきて自己効力感も復活していきます。私もこのブログを書く中で、”自分のモヤモヤ”と共に思考する時間を持つことができました。そして「きっと大丈夫」と思えるようになってきました。
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あなたも「きっと大丈夫」。モヤモヤと向き合って、知恵が湧いてくるはずです。
モヤモヤの先に、新たな能力を生み出すヒントがあるのですから。
参考文献:帚木蓬生:『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』 朝日新聞出版 2017