失敗することが多いあなたのための「成功できる方法」

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。

失敗しても平気なの?と問われれば、「平気ではありません!」と、私も応えます。初めてのことにチャレンジするときは、必ず胸やおなかのあたりが、吐くような重い感じになります。失敗するかもしれないと思う不安感情が、身体にそれを警告しているのです。

もっとつらい経験もあると思います。失敗するのではと思うと、足がすくんで身動きが取れない。懸命に立ち向かおうとするが、あの時のことが思いだされてやる気が消えていく。周囲の人たちの評価が気になってしまい、自分らしく振舞えない。

生きていく中で、自分を苦しめていた「失敗」。じつは、私たちは、成功を考えると同時に、失敗するのではと恐れを感じてしまうのです。そのメカニズムを知ると、成功できる方法が活用できます。

「失敗するのではと恐れる」感情は、心理学でも失敗恐怖として研究されていて、「完ぺき主義」と相関関係があることが分かっています(Kaye,Conroy,Fifer,2008)。

また、過去30年間で性別や文化に関係なく、若者の間で完ぺき主義の傾向が大幅に高まっていて、社会的要素の可能性もあるとの見解が出されています。特にSNSの普及で、それを引き起こす社会的要素との関係性など、さらに研究がなされていくと思います。

失敗したら大変なことになる!?

Conroy,Willow,Metzier(2002) は、下記に挙げた「失敗恐怖の5要素」を提唱しました。

  • 周囲から嘲笑され恥をかいてしまう
  • 自分はダメな人間になってしまう
  • 自分の将来が無くなってしまう
  • 親や友人、恋人が離れてしまう
  • 親や恋人から叱責されてしまう

この失敗恐怖は、チャレンジする前から、頭の中で「失敗したときの状況」を想像していきます。その想像は、あなたの頭の中でさらに大きなものになってしまい、「失敗の恐怖」で、身動きが取れなくなるという仕組みです。

でも冷静に考えてみてください。「失敗してしまった」ことを想像しているのは、あなた自身。あなたの感情は、単に「頭の中での失敗」に惑わされているのです。やってもいないのに、失敗なんてありえませんね。失うものはないのです。

むしろ成功するには、数多くの失敗の積み重ねがあって成り立つものと言えます。ですから失敗を怖がる必要なんてまったくありません。

あなたが成功する方法は、2つの力を鍛える

1.small-win(小さな成功)を積み重ねて行動を起こす力と、2.レジリエンスを強化すること、つまり、困難に立ち向かう力を鍛えることです。この2つの力のハーモニーが勇気をくれます。

小さな成功を積み重ねて行動する力は、自己効力ですね。小さなプロセスを一つひとつやり抜いていくことで、自己効力は強くなります。成功するためには、自己効力に+レジリエンスが重要になります。

レジリエンスを鍛えるためにどうしていくのか、参考になる実験がありました。スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックの面白い実験結果があるので、ご紹介しましょう。

キャロル・ドゥエックは、思春期初期の子供たち数百人を対象に実験を行いました。非言語式知能検査のかなり難しい問題を10題やらせたそうです。ほとんどの子供がまずまずの成績でした。

終わった後で一人ひとりに褒め言葉をかけたのですが、その褒め言葉を2種類用意しました。グループ1は、その子に「まあ!8問正解よ。よくできたわ。頭がいいのね!」と知性を褒めました

もう一方のグループ2は、その子に「まあ!8問正解よ。よくできたわ。頑張ったのね!」と努力を褒めました

実験に参加した2グループの成績は、ほぼ等しいものでした。次に、同じ子供たちに、また別の2種類のテストを与え、彼らにどちらか好きな方を選ばせました。一つは最初のものより難しい問題だが、やればとても勉強になると説明し、もう一方は、先ほどのものと同様の簡単なテストだと説明しました。

すると、努力を褒められた子供の90%近くが難しい方を選択し、一方、知性を褒められた子供たちのほとんどが、簡単な方を選んだのです。そして、その後さらに別の難しい問題を2グループ全員にチャレンジさせたところ、努力を褒められた子供たちは、知性を褒められた子供たちよりも、積極的にその問題に取り組み、成績も伸びたという結果になったそうです。

「自分の知性」を褒められた子供にとっては、評価してくれた人の期待に応えたいし、自分のプライドも保ちたい。難しい問題は、自分には良い結果が出せないかもしれないという失敗恐怖が、無意識に働いたのかもしれません。チャレンジは、今の自分を脅かすものと捉えてしまった可能性がありますね。

成功するためには、困難に立ち向かう力を持つ。

一方、頑張ったことを褒められた子供は、頑張ることを楽しみ「取り組んできたプロセス」を自身の努力でやり抜いて、良い結果につながったと解釈したのでしょう。難しい問題にチャレンジしたのは、頑張ることを楽しみながら、自分を高められる可能性を感じたと示唆できます。彼らにとって難しい問題は、自分を高める一つの機会と解釈したのでしょう。

キャロル・S・ドゥエック 2008 『「やればできる!」の研究 能力を開花させるマインドセットの力』 草思社

成功のエンドレス・ループを作る

成功のエンドレス・ループを作り出しましょう。まず自分自身が、1.「取り組んでいるプロセス」を粘り強く努力し続ける、 2.「取り組んできたプロセス」を振り返る、 3.その進捗から自分の努力を認める、 の3ステップです。この成功のエンドレス・ループをイメージしていきましょう。

レジリエンスを鍛えて、「見えない未来を信じる力」をもつ

何かをできるようになるって、どんなことでも、そう簡単に達成できないと感じますね。だけど、チャレンジしてきたことは、何かしらの力が、あなたの中に育っています。あなた自身の中で波紋を広げ、あなたの能力とリンクして広がるのです。どんな些細な経験でも、決して無駄はありません。

「失敗が恐い自分」から「成功できる自分」への一つの手立てとして、「自己効力とレジリエンスの強化」を日々の生活に取り入れてください。

やってきたことの一つひとつを振り返ることで、自分が成長してきたプロセスを自覚できるようになります。やり抜いてきたことがあなたに勇気を与え、粘り強く諦めない気持ちを生みだします。大きな目標は、一歩一歩小さな成功を積み重ねて、乗り切っていけますね。

今、あなたがすることは、大きく深呼吸をして、成功するための小さな一歩を踏み出すことです。

失敗するかもと考えている自分を責めずに、頑張ろうとする自分を褒めていきましょう。

参考文献:<岡本直子 親密な他者の存在と成功恐怖の関係について 教育心理研究 1999,47,199-208>、<キャロル・S・ドゥエック 2008 『「やればできる!」の研究 能力を開花させるマインドセットの力』 草思社>、<中嶋美知、相模健人 NLPのメンタルイメージと知覚位置を用いた,失敗恐怖軽減と自己受容の改善研究 2019,28,No.2,50-60><psychology today:perfectionism>