「男らしく」「女らしく」と頑張ってしまう人、必読!

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。

コロナ禍前は、働き方改革と言われながら、残業がそれほど減らない状態だったのに、今はすっかり、在宅ワークで様子が変化しているように見えます。

ところで共働き世帯数の推移が、全体(男性雇用者と無業の妻からなる世帯+共働き世帯)の約7割になっています。でも、共働きと言っても、妻がパート(週35時間未満)の共働きが、共働き全体(フルタイム女性世帯+パート女性世帯)の57.9%を占めているのです。

令和2年版男女共同参画白書(2019)の調査によれば、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に反対するものは、女性で63.4%、男性で55.7%となっています。「夫は外で働く、妻は家庭を守る」という考え方に、半分以上の男女が反対と言っているのに、実際は妻が「家庭を守る」役割をはたしている夫婦が、ほとんど!という事実です。残念ながら、この傾向はずっと変わっていないのです。

しかし、別の見方をすると、夫は働くことが当たり前という自身のマインドセットや社会通念から、育休など取れず、会社に縛られているという見方もできますね。

ここには、私たちの中に「頑張ってしまう」無意識のマインドセットがあるからなのです。今回のブログでは、この「頑張ってしまう」脳内命令の呪縛から自分を取り戻す方法をお伝えします

「頑張ってしまうDNA」

日本人の働き方を調べると、過去から現在まで、長時間働くことを自ら受け入れてきた、ということがみえてきました。じつは、昔の農業や商業の働き方が、ルーツだったようです。

Asian People are across the crosswalk
綿々と続く日本人の働き方 女性の働き方のルーツ

農家の人たちは、自分で労働時間を決めることができるので「より頑張って休みも取らずに、仕事をする」ことを選び、自分の収入を増やすために自己責任で努力したのです。

その農家の妻は、「イエ」のために、家業が忙しくなると仕事に時間を回し、仕事が一段落すると家事に戻るという、臨機応変にバランスをとった生活をしていました。このような働き方は、農家をはじめ、自営業でも、中小企業でも、「仕事の繁忙」と「毎日の生活の維持」とのバランスを「女性が時間の振り分け方を臨機応変に頑張って変化させること」によって成り立っていたことが分かっています。

そこで、調整役を果たしてきた女性の家事と仕事とを合わせた労働時間は常に男性を上回っていました。現代のパートで働く女性たちは、まさに、臨機応変にバランスをとって頑張って働いていますし、またフルタイムの女性たちも含めて、労働時間はその当時から変わらず、男性を上回っています。

綿々と続く日本人の働き方 男性*の働き方のルーツ(*フルタイム雇用者)

つぎに商業の世界を見てみると、古くは丁稚、奉公人という働き方から始まっているようです。

日本の経営者は「集団の収入を増やすために、最大限のことをしているように仲間から見られたい」という労働者の願望(心理)に信頼を寄せていました。そして労働者自らが、組織のために貢献することで評価されたいという姿勢が、英雄的な犠牲行為や過酷な仕事を頑張ってしてきたのです。

そして、貢献していることを目に見えるように表す方法が長時間労働につながっていったと言えるでしょう。働く時間を左右するのは個人でなく社会、つまり店や組織であるという観念は、「賃金」と「労働時間」を分離させてしまったのです。現代でも、「貢献を見える化」する方法として長時間労働をする姿勢は、いまだ残っているように感じます。

女性も男性も,「イエ」や,「組織」のために頑張ることはやめましょう!

「貢献を見える化」してきた長時間労働ですが、今まで人が時間をかけてきたことが、AIに代わっていく時代です。人の働き方は、大きく動いていますね。「イエ」のため、「企業」のため、「組織」のために、働いてきたのですが、これからは、

長時間労働で貢献するのではなく、「自分を活かし、貢献するには、どう働くか」を考える時間が、今まさに必要だと思います。

Tired young mother sitting on sofa and working with laptop and documents while little kids having fun and making noise

そのために、まず、あなたの「頑張ってしまう」脳内命令の呪縛から自分を取り戻す必要がありますね。その方法をお話しします。

原因:5つのドライバーが、駆り立てていた!

あなたはなぜ頑張ってしまうのでしょう?! そこにはあなたを駆り立てる「5つのドライバー」が、あなたを追い詰めているのです。

心理学では、本人を過剰な努力に走らせてしまう脳内命令として、「5つのドライバー」が知られています。ドライバーによる行動が「過剰労働をして肉体的故障に追いやる」など、自分を苦しめる契機にもなる場合があることが分かっています(Stewart,I. 1989)。

幼児期に養育者から「していいこと」「してはいけないこと」を教えられ、それを実行することで、自分のドライバーになっていくと言われています。

その5つのドライバーは、「完全であれ」、「他者を喜ばせよ」、「一生懸命やれ」、「強くあれ」、「急げ」の5つです。そういえば、小さい時には、よく「早くやりなさい!」「勉強を頑張れ」などと言われていたような記憶もあります。

5つの脳内命令の、

他者を喜ばせよ」は、気配りする傾向・他人の評価を気にする傾向であり、

一生懸命やれ」は、自己決定したい傾向・努力することに意義があると考える傾向、

強くあれ」は、一人で自立しなければいけないと考える傾向・不信感を持つ傾向・親密になることを避ける傾向、

急げ」は、競争意識をもつ傾向・拡散してしまう傾向、

最後に「完全であれ」は、この言葉通り完全であれということのようです。これらのドライバーはプラス面とマイナス面を持っているとされています。

この5つの言葉は、理想的で気持ちの良い暮らしを手に入れるためには、必要な考え方といえます。でも、本人が「辛い」と感じて押しつぶれてしまいそうなら、問題になるのです。

あなたの「5つのドライバー」を組み替えて、脳内命令の呪縛から抜け出しましょう。

自分の人生を未来志向で考えてみましょう。どんな風に生活していきたいですか? 

今までは、会社の上司や同僚がどう評価するかを気にしてきたかもしれませんが、自分はどうありたいのか考えてみてください。

例えば、仕事が終わったら、気持ちよく「お疲れさま」と言って気兼ねなく退社し、自分の時間を楽しんでいるというのも良いですね。または、家族と一緒にゆっくりとした時間を過ごすこともできるでしょう。

現在よりもちょっと良い未来を描く、それを実現するには、今までの自分の「5つのドライバー」の捉え方をちょっと組み替えていくと良いでしょう。たとえば、

  1. 「完全であれ」 完全なんてありえない、私は私。do my bestでいこう
  2. 「他者を喜ばせよ」 他人からの評価ばかり気にせず、自分の生活を大事にしていこう
  3. 「一生懸命やれ」 努力は大事だけど、辛いと感じたら、周りに助けを求めていこう
  4. 「強くあれ」 気弱になるのが悪い訳じゃない、自分の思いを語れる時間を作ろう
  5. 「急げ」 焦って、何でもかんでも、急がなくてよいことを知ろう、そしてゆっくり進んでいこう

どうですか。「やらねばならない自分」から、「ありのままの自分」に近づくことになるでしょう。自分らしく振舞えると前向きになり、そして自己効力感も高まります。

仕事と家事を一人でバランスをとって頑張ってきた女性たち、そして、長時間労働で頑張ってきた男性たち。自分の5つのドライバーをコントロールして、自分に栄養補給する時間をあげてはどうでしょうか。きっと、力強い「未来の自分」を手に入れることができますね。

時代が変わり、労働時間で評価される時代は終わりました。自分の時間を自分の成長のために、自分の将来のために有意義に使って、幸せな人生をつかみ取っていきましょう。

参考資料:「家事・育児・介護」と「仕事」のバランス~個人は、家庭は、社会はどう向き合っていくか」-令和2年版男女共同参画白書から-

参考文献:<田中洋子2006 「長時間労働の歴史・現在・未来(座長報告:協働論題=労働・生活時間の構造変化から見る社会政策)」 社会政策学会誌15巻,2006>、 <高品孝之2018「学校現場における、生徒の衝動的不適応行動抑止の一考察」 北海道大学大学院教育学研究院紀要、132,119‐138>