もっと自信を持ち自分の可能性を信じる人材育成を
キャリア形成に関わる仕事を通して、多くの人とかかわってきました。
その経験の中で感じてきたこと、必要性を強く感じたことが、セルフ・エスティームと自己効力感の重要性です。
個人が自分の考えをもって、選択肢の中から自己決定し、自分で行動を起こす。
この当たり前のようなことが、大学生だけでなく社会人においても忘れかけているということが見えてきたのです。
企業組織でのキャリア形成支援を行ってきた中で、社会人に不足していたものは、やはりセルフ・エスティームと自己効力感でした。
多くの企業で、生産性の向上、働き方の変革、女性活躍、LGBTなど多くの課題を抱えています。
しかし、その中身は遅々と進んでいない現状にあります。何のための変革なのか、方向を見失っているようにも見えてきています。
また、人材の不足もあり女性社員や若い男性社員、シニア社員など多様化した部下に対して、どうかかわっていったらよいか、人材育成をどうすればよいか分からないのです。
まさしく、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を考えた人材育成ということになります。
そのような環境の中で重要なことは、“ひとり一人が自分に自信(自己効力感)を持ち、互いに信頼をもって働いていく”ことです。
そのためには、自己効力感を高めてセルフ・エスティームの醸成を図ることが重要になります。
その目標にむけてプログラムを開発し、実施してきました。
やり方はそれぞれの企業の状況によって異なりますが、継続的な活動を行っていくことが最も大切です。
CCBメソッドに基づいたセルフ・エスティームのワークショップを土台にして、経営層を巻き込んで行うD&I推進プログラム、部下育成プログラムなど展開しています。
現在、10年間継続してワークショップを行ってきていますが、活動は広がりを見せ、当初課題だった従業員の離職率は低下し、直属上司の部下育成力を強化するために、部下のキャリア形成支援のための研修を開発し実施してきたことで、管理職の意識/行動の変容もしています。
自己理解が深まることで行動力を生み、自分の能力が向上したことを認識していけるようになります。そのことから、自分自身の可能性に気づき、自分自身への期待(自己効力感)から、さらに行動していくようになっていくのです。この経験の積み重ねからセルフ・エスティームは、高まることが実証できたと思っています。
私の最終目的は、人々が自信に満ちた自分と出会い、自分の可能性を信じ自分の能力を高めて、生き生きとした人生を歩むことを支援すること。
幸福感を味わって生きてゆく、そんなお手伝いが出来たらと思っています。
小西ひとみ