セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるための新習慣㉙
こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。
セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるためのエクササイズをお届けします。
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成し遂げる力は、あなたの楽観性の高さで決まる。その鍛え方とは!
そもそも人間は、日々の生活を習慣的に過ごし、おおむね予測可能な中で自動的に行動することを得意として進化してきました。多くの人は、不確実で予測できないことに対処するのは、苦手で不安を感じてしまい、モチベーションや集中力も落ち込み、目的意識さえ見失ってしまいます。
ところが、そのような状況でも、ブレずに成し遂げることができる人もいます。
キーワードは「楽観性」。
私たちが「楽観性」と聞くと、「将来、自分には良いことは起こり、悪いことは起こらないと考える」、つまり「ある意味、能天気な人」みたいに思っていることが多いかもしれません。
じつは一般に言われる楽観性は、人間の誰でも持っている認知的傾向のことで、心理学では「非現実的楽観性」というそうです。
例えば、ある調査から、日本人は、「日常が平和に暮らせる程度の良い出来事が自分に起こり、悪い出来事が自分に起こるはずがない」といった控えめで自己防衛的な非現実的楽観性が顕著だと考えられます(外山・桜井2001)。
でも、ここで、お話ししたい楽観性は、「将来をポジティブにみて柔軟に対処する能力」についてです。
さっそく、考えていきましょう。
悪い出来事があなたに起きてしまった時、他者にどう話していますか?
人は良いことや悪い出来事を話すとき、楽観的な説明スタイルか悲観的な説明スタイルかのどちらかで説明するとセリグマンは仮定しました(Seligman 1991)。 つまり、ものごとの捉え方のクセが、説明スタイルに出るといえます。
自分に起こった悪い出来事に対して
楽観的な説明スタイルは、自分以外に原因を求め (外的)、その原因は一時的なもので長くは続かないと考え (一時的)、その原因を特殊的な理由に求める(特殊的)という捉え方をします。
悲観的な説明スタイルは、自分にその原因を求め (内的)、その原因がいつまでも続くと考え (永続的)、その原因を普遍的な理由に求める(普遍的)という捉え方をします。
たとえば、部下がちっとも仕事ができないとき。
楽観的説明スタイルの人は、「在宅ワークで仕事の方法も新しく変わったことが原因だろう、これは一時的なものだ、それに緊急事態によるものだった。」と、客観的で、事実に基づいて物事を捉えます。
悲観的な説明スタイルの人は、管理職である自分の能力がないせいだと思い、「私の力不足のせいだ、自分には人望がないのだ、上司として失格だ」と思ったり、子供の通信簿の成績が悪かったのを見た母親が「これは私の責任だ。ダメな母親だ」と思うのもそうですね。つまり、良くない出来事を理由もなく自分のせいにして考えてしまうことです。
逆に、自分に起こった良い出来事に対して。
自分にその原因を求め(内的)・永続的・普遍的に考えやすいのが楽観的な説明スタイルです。逆に悲観的説明スタイルは、自分以外にその原因を求め(外的)・一時的・特殊的と考えてしまいます。
説明スタイルは、経験によって習得されていきます。とくに両親やその他の重要な大人の行動を見て育つことによって影響受けると考えられています。
意識して、楽観的説明スタイルで話すと良いですね。
まずは、ポジティブな表現で話すことが大事です。「出来なかった」ことに注目するのでなく、「出来た」ことに注目するようにします。以前お話したこともありますが、脳は、ネガティブな言葉を記憶します。私はダメな人間だと心に思えば、それが記憶に残ります。ものの捉え方をポジティブにすると、意識も変化して楽観性が高くなっていくはずです。