セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるための新習慣⑬
こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。
セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるためのエクササイズをお届けします。
ビジネスは共感力。 それには、あなたのセルフエスティームが重要です。
ビジネスの世界で「共感」という言葉をよく耳にします。
人とのかかわりであるコミュニケーションは、日本においては学問という認知は低いようですが、海外では学問として多くの学者が研究している分野です。最近、共感という言葉を耳にするようになったと言いましたが、脳科学の分野でも、相手に共感しつつ思いやる力が、脳や体のどんな仕組みによるものかというミラーニューロンの研究も進んでいます。たとえば他人が感じている痛みが鏡に映されたように自分にも起こるというものです。
なぜ共感がビジネスの世界で重要と言われているのでしょうか。
私自身、共感することの重要性を意識して仕事をしてきました。女性の方が男性よりも共感力は高いと言われているようですが、私は男性女性にかかわらず、共感はひとの心に響くと確信しています。
マイクロソフト サティア・ナデラCEOは、 「エンパシー(empathy:共感、共感的理解、人情、情け)を友達とか家族にだけ当てはめるものだと思っているが、じつは、企業にとって最も大切なプライオリティでもある」「人を思いやることが出来なければ、自分のチームに力を発揮させることはできない。だから、エンパシーはすべてにつながる鍵なのだ」と語っており、アップルのティム・クックCEOは、「エンパシーと自分の仕事を切り離して考えろと、説得しようとしている人が多い。そんな間違った考えを受け入れてはならない。」と語っています。 (参考文献:『スタンフォード式 生き抜く力』 星 友啓著 ダイヤモンド社) また、グーグルのサンダー・ピチャイCEOも、多くのメディアが、その「人の痛みを感じ取る力」を高く評価しています。(『世界最高の話し方』 岡本 純子著 東洋経済新報社)
彼らが説いているこれらの共感・エンパシーに対する言葉は、1人でビジネスはできない、上下関係だけでなくフラットでお互いの違いを認め合う、ダイバーシティ&インクルージョンを主軸に対話できる関係の構築の重要性です。人とのかかわりは普遍であり、人を思いやる力、人情とでも言いましょうか、そういうものを大切にすることが仕事をする上で大事だと私には映りました。
☆ビジネスの世界で、「共感」をどのように表現していくのか
みなさんからよく質問されるのが、同情と共感の違いです。同情は、他の人の悲しさや苦労など、かわいそうだと感じて気の毒に思うことです。 しかし共感・エンパシー(empathy)は、他者と喜怒哀楽の感情を共有することを指します。話し手から感じる感情や思いを受容し、話し手の感情を自分事のように感じることです。具体的には、話し手が味わっている感情に共感して、その気持ちや思いを代弁すると、悩みや気持ちを分かってくれたと言い当ててくれた相手に対し、共感しやすくなるのです。
自分を気づかってくれる人には、信頼をおくようになり、その人と一緒に仕事することに前向きになる。
人は元々「自分に親切や、気づかいを見せてくれる人」に好意を抱くという心理学の「お返しの影響力」、「ミラー効果」があるからなのです。つまり、人は感謝してくれる相手に感謝の念で返したくなる、共感してくれる相手に共感したくなるといえます。ビジネスの世界も、リーダーは相手の気持ちを受容するカウンセラー的スキルがこれから重要になってきます。
☆共感のコミュニケーションは、聴くことから始まる。決して話すことから始まらない。
もし、あなたがプレゼンターだったら、話をするのはあなた自身です。でも一方的に話したいことを話しているだけでは共感は生まれませんね。相手がどう受け取ってどう感じているのか知ることで、相手の共感を引き出すプレゼンにしたいものです。またもし、部下とのone on oneだったら、仕事の進捗など自分が聞きたいことや話したい内容だけでは、共感は生まれませんね。部下が何に悩んでいるのか、何に面白さを感じているのかなど話せるように問いかけて、部下の話の思いや気持ちを引き出して、その気持ちや思いに共感したいです。
☆共感コミュ力を鍛えるには、相手の話をしっかり最後まで聴ける自分になる
まず、相手の話をしっかり聴ける自分になる。今までのコミュニケーションの仕方からは、たぶん真逆だと思います。ひとは、話したい動物と言われています。ですから、話を聴いていても、途中から「相手はこう考えているはずだから、次はこう言おう」と先走りして、相手の話は聞きもらすことが多いのです。聴くか話すかのどちらかしか人間はできません。共感コミュ力は、最後までしっかり聴くことから始めます。
☆自分の感情を意識することから始める
そのために自分の感情を意識することから始めましょう。なんでそんなことからやるの?って、思いますか。自分の心がごつごつした岩では、相手の思いは映りません。ツルツルの鏡でないと、相手のいろいろな気持ちや思いは、あなたの鏡に映らないから。心のストレッチと言えばわかるでしょうか。たとえば、小説や映画の登場人物のストーリーから、その主人公の気持ちや思いを読んで自分の感情がどう感じているか意識していきます。日常の周りの世界でも、それぞれの思いや気持ちを想像する癖をつけるとご自分の感情が育っていくと思います。自身のセルフエスティームが分かってくると共感力も高まるはずです。
☆共感コミュ力を鍛えるには、相手の思いを言語化できる自分になる
共感では、受け取った思いや気持ちを言語化できることが大事です。つまり、相手の感情を正しく受容することができると、人の感情を言語化できるようになります。相手の話を聴きながら、相手は何を考えながら、何を思いながら、話しているのか相手の感情に寄り添いながら想像して言語化します。
ビジネスで信頼関係を築くことは時代が変わっても普遍ですが、環境が変われば、そのやり方は変わります。完全に言い当てることが目的ではありません。相手を思いやる気持ちが相互信頼のスタートです。共に楽しく人生を生き抜くためにも、共感力を鍛えましょう。