人とのつながりが煩わしいと感じているあなたへ。それは、あなたのストレス耐性が弱っているから。自分を取り戻す方法があります。

働き方もアフターコロナで、すいぶん変わったように思います。そして人とのかかわり方も。パワハラ、カスハラ、アカハラ、セクハラなどなど、かかわり方も気が抜けません。

人とのつき合い方も、つねにストレスや困難が待っているようで、気が休まる暇がありませんね。

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。

先が見えない現代社会は、情報過多で予期せぬ変化がいつ訪れるか見当もつきません。先が見えない不安から、体調を崩したり心が折れてしまうと、長期に働き続けることは難しいことになってしまいます。

そのような中で、わたしたちは知らないうちにストレスをためているように思います。私自身は、あまり気にしなかったのですが、ある時スマホで、心拍数、血圧、ストレス耐性が測れるというアプリを見つけて何気にやってみたのです。そうしたら、その時はストレスが高いという数値が出たんです。自分では思ってもいなかったので、少し驚きを感じました。自分も知らないうちに、ストレスがかかっているようです。

以前、2021年11月のブログに「ストレスから抜けだしたい――レジリエンスを高める方法」に書きましたが、今回は心身の健康と言う視点でお話しします。

ぜひあなたのストレス耐性を振り返る機会にしていただけたらと思い、今回のブログのテーマにしました。

元気に楽しく現代を生き抜くために、心身の健康を保つことが働き続けるための基礎と言うことになります。

自分と向き合う時間を持つことは、心身の健康を確認する時間になります。

そして、日々の感情やストレスを客観的に整理するトレーニングを持つことで、あなたのストレスを早期に発見でき、ストレス耐性も強化できるようになります。

●認知を変えるトレーニング

ストレスの早期発見:「いま私は、何にストレスを感じているのか」「何が自分をモヤモヤさせているのか」など、自分の感情の出所を自覚できるように内省します。自分のものの捉え方や価値観とのズレで、感情が「違うよ」とサインをくれているのです。

それに気づく方法としては、いったんその時の感情を言葉にしてノートに書きだすと良いですよ。私は、専用の小さな持ち歩きノートに、気づいたら書くようにしていました。今なら、スマホのノートに書けばよいですね。翌日ぐらいに、自分で書いたページを第三者的に読むわけです。

早めに自己の振返りができると、自分が「どうありたかったのか」に気づくことができるようになります。深刻な状態になる前に休息や対処ができますね。

レジリエンスを高める:「完璧にやらねばならない」「失敗してはならない」と言った強い思い込みを見つけて、「本当にそうなのか?」と疑問を投げかけます。そして、リフレーミングしていきます。たとえば、「失敗は学びの機会だ」「自分のベストをやりきった」と認知の仕方を柔軟にします。

感謝の習慣:一日の終わりに「今日あった良いことや、感謝できること」を具体的に言葉にします。これもノートに書き出すといいですね。「今日○○なことがあったが無事にやりきった」「○○さんが、話を聞いてくれた、感謝しかない」など、一日を振り返り、自分の気持ちを言葉にしましょう。今日が良い一日だったなら、未来を良くできると信じることができます。

自分のできることに集中する:ヒトの言動や行動を変えることはできません。だから、自分のできること、つまり自分の行動や考え方を明確にし、自分のできることにエネルギーを集中させます。「自分は状況を動かせる」という自己効力感が高まります。

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ストレスがかかったときに取る行動の引き出しを増やすことが、ストレス耐性につながります。

●「行動(コーピング)」の選択肢を増やすトレーニング

小さな成功体験を積む:「千里の道も一歩から」ということわざがあるように、短期目標を設定し、計画通りに実行して記録します。あくまで自分が達成可能な目標でよいのです。たとえば、毎日風呂上がりに柔軟を5分する、週に一度は30分散歩するといった具合です。

私自身も、週3回は1日6000歩以上散歩、毎日風呂上がりの柔軟などやっています。そして運動は、筋肉を育ててくれます。筋肉は裏切りませんよ。継続は力なり。ですから大きな目標も、続けていけばできると、意欲が湧いてきます。

気晴らしの勧め:これは案外大事ですね。仕事やストレスの原因から意識的に離れる時間を作ります。有酸素運動はストレスホルモンの軽減に有効です。「楽しい」「気持ちいい」と感じて活動するのがポイントです。そういった時間を大事にしてください。ただし、やり過ぎは禁物です。

人間関係の構築:信頼できる友人、家族、同僚と定期的に交流して、互いに相談できる安全なネットワークを持っている。それによって、精神的な支えや具体的な解決策を得やすくなりますね。

このような選択肢によって、状況に応じた柔軟な対処法が選べるようになります。

あなた自身の健康が、ストレスに対する土台です。外からのストレスに揺さぶられにくくなります。

●あなた自身の基盤づくりとして、身体の土台を強くする

質の高い睡眠:毎日同じ時間に寝起きして、体内時計を整えます。それによって自律神経が整い、ストレスに対する防御力が向上します。免疫力も上がりそうですね。

リラックスの習慣:スマホを見ない時間を1日10分つくります。目をつぶって、たとえばあなたの好きな風景をイメージしながら、ゆっくり呼吸し「今ここ」に意識を集中させます。

バランスの良い食事:タンパク質、ビタミン、ミネラル、炭水化物を意識して食事をとる。出来たら夕食でなくランチに栄養を摂取できると良いですね。

ここで述べたことを意識して、できることから少しずつ習慣化していくことが、ストレス耐性を高める確実な道だと思っています。

とくに認知を変えるトレーニング、「行動(コーピング)」の選択肢を増やすトレーニングは、あなたの思考と行動を柔軟にし、選択肢を広げます。私自身もこの方法を活用していますので、トライしてくださいね。

出来事を前向きな解釈で捉え直せる、ストレスの対処法をいくつか持っている、自分が大事にしたいことが明確であるという3つは大事になりますね。

毎日を大事に生きようとすることで、自分自身を見つめることになるのですね。人に感謝し、自分を認めて、今を大切にして生きましょう。昨日より、ちょっと力強いあなたと出会うと思います。

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参考文献<Biggs, A., Brough, P., & Drummond, S. (2017). LazarusとFolkmanの心理的ストレスと対処理論. CL Cooper & JC Quick (編)『ストレスと健康のハンドブック:研究と実践へのガイド』(pp. 351–364). Wiley Blackwell.><Lazarus and Folkman's psychological stress and coping theory.>