迷ってばかりの人生で、あなたのキャリアを決める前にチェックしてほしい、たった一つの未来の決め方とは。

あなたの人生をどう生きるかを左右するのは、仕事時間です。人生の半分は仕事に費やすからです。仕事は「生活するためにやっているだけ」ということに、多くの働いている人がYesと言うでしょうね。

私も、Yesと言うでしょう。だって、逃れようのない事実ですし、その考えが決して悪いわけではありません。でも、「生活のためにやっているだけ」で仕事をし続けてしまう前に、チェックしてほしいことがあります。

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。

将来のキャリアを考えることは、”あなたの人生をどう生きたいかを考える重要なこと”なのです。

でも、多くの人は、いまだけを必死に生きているように見えます。そして、「これが人生なのか?」、「わたしの人生は、こんなものなのかな」と感じているのかもしれません。ところがある日、思いもよらない出来事が起きて、先が見えなくなった時に、「ヒトは真剣に自身のこころと向き合って、自分の人生を模索し始める」ように思いますし、キャリアカウンセリングをする中で、多くの方々がこのような状況で相談にいらっしゃいます。

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仕事の捉え方を決めるのは周り(環境)ではなく、あなたです。変化し続ける社会では、どのようにキャリアを決定するかで、あなたの人生は大きく変化する可能性があります。

大事なことは、その方法を知ることです。

じつは、古代ギリシアの哲学者・ソクラテスは「吟味なき人生は生きるに値しない」といったそうです。

つまり、自分の知識や信念、行動を絶えず吟味し、自己に問い続けることこそが、人間が人間として生きるということだと説いています。

とても大事なメッセージですね。

しかし、「絶えず吟味して生きるなんて、いまの時代にそんなこと出来ない。どうすれば吟味して生きることが出来るの?」という声が聞こえてきそうですね。"吟味した上で決断すること"を妨げている要因は、「将来を予測する能力」の不足といえそうです。

30~40代は、これまでのキャリアで培ってきた経験やスキルが豊富にある一方で、それらが今後の市場でどれくらい通用するのか、あるいは活かせるのかといった不安を持っていることでしょう。 

・現状維持のままで良いのか、それとも管理職などの新しい役割を担うべきか、専門的職種に特化するのか、という葛藤も生まれます。

・新しいことへの興味や学ぶ意欲がある一方で、「もう年だし~」と年齢的なことや失敗への恐れから、一歩踏み出せないという不安もつきまといますね。

周囲の同年代のキャリアと比べて焦りを感じることもあれば、この先まだ長いキャリアをどう充実させるかを考えなければいけない。

・残りのキャリアで何を実現したいのか、どんな働き方をしたいのか分からない。

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不確実なこの時代に、やってみなくちゃ分からないと言って、サッサと決められる人もいるし、何日も何日もぐるぐる頭の中で考えあぐねてしまう人もいます。どっちが良いということはありません。でも、大事なことは、逃げずに自分で考えて未来を決めることです。曖昧にしてしまうと人生の後半で後悔することになるでしょう。なんとか、立ち向かう力を養うことが大事ですね。

先々が不安な世の中をどう生き抜いていけばよいか。それは、ソクラテスの言葉の中に答えがあります。それは、「自分の知識や信念、行動を絶えず吟味し、自己に問い続ける」ことです。別の言葉に置き換えるとすれば、予測していく能力を鍛えるということになります。

ぜひ、自分の人生を吟味していきましょう。

その意味するところは、不確実な社会で、あなたの人生はどうなっていたら幸せかを考えることになります。

人生を前向きに生きるには、予測していく能力を育て続けることが重要なわけです。

それは、言葉を変えれば、「知能を育てる」ことと言えます。未来を予測できる能力を養うこと、それは、「自分の知識や信念、行動を絶えず吟味し、自己を問い続ける」ことで、自分の人生を予測できる能力を養うのです。

予測能力を養うには、①知識を増やす、②思考する、③行動することが必要です。

1.統計と確立の概念を理解できるように知識を増やす

基本的な統計学の知識を持つと良いですね。たとえば、平均と中央値の違い、分散、標準偏差など、基本的な統計の概念を理解しておくとデータの傾向を把握しやすくなります。断定するのではなく「~の可能性が高い」というように、確率的な視点を養ないましょう。

2.過去のデータと経験から学ぶ時間を持つ

予測は過去の傾向や経験に基づいています。過去を振り返り予測を立てた後は、その結果がどうなったかを必ず振り返る。その結果を分析する。記録を取る。その記録から、自分の思考プロセスを客観的に見直すことができるようになります。過去の成功事例・失敗事例を学ぶことで将来の類似状況で役立つ洞察を得ることができます。

3.観察力を高めることで、流れをつかむ

日常生活の中で、周りのものや出来事を注意深く観察する。ものごとには繰り返されるパターンがあることが多いですね。パターンを見つける練習をすることから、物事の流れが見えてきます。ニュースや統計データ、専門家の意見など、様々な情報源からのデータを収集し分析する習慣をつけると、思考が動き出します。

4.論理的思考力を強化することで、物事の仮説を立てる

観察した情報から合理的な結論を導き出すために、論理的思考力をつけます。因果関係を考える。つまり、ある出来事がなぜ起こったのか、その原因と結果を深く考える練習をします。「もし~だったら、どうなるだろうか」と仮説を立てることが、予測ですね。

クリティカルシンキング。情報をただ受身で受け入れるのではなく、「それは本当にそうなのか」「ほかに可能性はないか?」と多角的に物事を考える習慣をつけます。メディアの情報を鵜呑みにするのではなく、「ほかの見方はないか?」と自分で考える癖をつけます。

5.成長型マインドセットで、自信を養う

オープンマインドを大切にし、予測が外れたとしても、それを学びの機会と捉え、柔軟な思考を保てるようなマインドを意識します。フィードバックを受け入れる力をつけましょう。他者からの意見やフィードバックを積極的に取り入れ、自分の思考プロセスを改善します。

具体的に予測の練習方法にも触れておきますね。

・天気予報は、そのもの自体が予測情報ですから、週間天気予報から天気を自分で予測してみるのも良いですね。たとえば、傘を持っていくかどうかの予測など。必ず結果を照らし合わせて、予測の根拠もメモしておくとあなたのお天気予測データになります。

・同じように株価や為替の予測です。経済ニュースを参考にして、企業の株価や為替レートがどう動くかを予測することもできます。でも、あくまで練習として、経済の予測を学ぶわけです。

・社会的な出来事や政治的な動きなどについて、どのように進展するかを予測してみることもできます。

私も認定心理調査士の資格を取るために、統計学を学びました。最初は苦戦しましたが、統計を学んだことでモノの見方が一回り大きく捉えられるようになったと思います。

このような方法を組み合わせて、継続的な練習と学習を実践することで、あなたの予測能力は確実に向上するでしょう。

さて、予測能力の感覚を磨くことで、あなたの能力は研ぎ澄まされます。

世の中の変化を予測する能力を磨くことで、あなたのキャリアの方向性も分かってくると思います。

これまでの経験を棚卸しすることで、自分がどんな時に喜びを感じ、どんな課題を乗り越えてきたのかが見えてきます。

自分の能力を再吟味する。あなたが成功体験や、達成感を味わった、困難を乗り越えた経験などから3つ具体的に挙げましょう: どんな状況で、どのような役割を担い、どんな行動をとりましたか?あなたの粘り強さや工夫はどんなことでしたか?その成功のなかに貢献したあなたの能力、つまり自己効力感が持てる経験を具体的に思いだすのです。

ヒトの能力には、一貫性があります。その人らしい行動があるものです。その能力をこれからの世の中でどう活かしていくかを考えます。 

あなたが人から感謝されたことや褒められたことはありますか?それはどんなスキルや特性によるものでしたか? あなたが「無意識にできてしまうこと」や「苦にならずにできること」もあるはずです。 人からは難しいと言われるのに、自分にとっては当たり前のようにできてしまうことはありませんか? それはあなたの才能かもしれません。

変化する世の中で、あなたの能力をどのように活かせるかを見極めていくことが大切です。

大事なことは、粘り強く予測能力を鍛えて、逃げずに自分で考えて未来を決めることだと思います。

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肩の力を抜きながら、自分の知識や信念、行動を絶えず吟味し、自己に問い続けることこそが、人間が人間として生きること」と言ったソクラテスの言葉を忘れずに、あなたの人生をしっかりと生きていきましょう。