セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるための新習慣㉛
こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。
セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるためのエクササイズをお届けします。
期待されるのが怖い。期待に応えなければならない。そう思っていませんか?
年が明け、新たな気持ちで仕事に向き合うことで、周囲からの期待を感じることもあると思います。
どういうわけか、私たちは期待されると、期待に応えなければと思ってしまいがちです。だから、期待を裏切るのが怖い。期待されるのが怖い。期待されても重たすぎるし、期待されたくないとでも言いましょうか。
期待されるのがどうも苦手という方も多いかと思います。
周りからの期待は、時によって重たいものになります。
期待することは、励ましや、称賛とはちょっと違うもののように思えます。
何かに挑戦する時、ある人から「きっとうまくいくよ!」と励ましをもらったなら、相手から温かく受容されたと感じられます。
自分の心がリラックスでき、「よし、やってみよう!」と自然に力が奮い立っていきます。
そう、「きっとうまくいくよ!」って、わたしへの「応援歌」に聞こえてくる感じでしょうか。
一方、何かに挑戦する時、ある人から「期待しているよ!」といわれたら、「うまくできるまで待ってるから!」と言われているように聞こえます。「期待しているよ!」には相手からの思いは伝わってこないのです。
辞書では、「期待は、あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること。当てにして心待ちにすること」とあります。だから人から期待されると、なんだか重たく感じたり、「勝手に期待しないでよ」と感じて、違和感やしっくりこなかったりしたのかもしれません。そう考えると、私たちは、他者からの「期待」に対して、応えなければならないとあまり意識する必要はないのかもしれません。

社会からの期待は次々変化する
さて、期待には、役割期待というものもあります。
社会環境で、女性の役割とか、男性の役割といわれています。これは、長い歴史の中で育まれてきた役割です。自然に生まれてきた役割ではなく、その時代の政府の方策として生みだされてきたといえます。
ですから、昔は女性が家にいて、子供を産み育てるのが当たり前と期待された時代がありましたが、いまは共働きが普通になったように、時代は変化しています。しかし、男女の役割意識は、時代の変化になかなか追いついていません。いまだに男性は家族を養うものという社会の期待、三歳までは母親が見た方が良いという間違った社会の期待などが、まだまだあります。
社会の役割期待が変化するにはまだ時間がかかりそうです。性別だけでなく、個人を尊重し、それぞれの個性を活かせる役割期待の日がくることを願っています。
影響力ある人からの“期待”に応えなければならない?
ところで、例えば影響力のある人から新規プロジェクトを任されて、その成功を「期待しているよ」と言われたら、あなたの心は揺れるのではありませんか。
影響力のある人から、新規プロジェクトを任されて、“自分はあの人から期待された!うれしい~!”と思うのと同時に、もう一人の自分が、“怖いし、本当に成功できるのだろうか…”と、不安を感じるからなのです。
そして何よりも相手の「期待に応えなければならない」という責任を感じるからでしょう。失敗できない、成功しなければならないと考えるのは、 “期待に応える”ではありません。あなたが責任を果たす“必要に迫られている”だけです。
本来、期待は、あくまで“できるといいね!”なのですが、影響力ある人からの「期待しているよ」は、文字通りの意味でなく「責任を果たせ」という意味を受け取るからです。
新規プロジェクトに、あなたが応えるメリットや価値があると思うなら、真剣にチャレンジすべきでしょう。でも、なぜその期待に応えたいと思うのか、深く考えてからでも遅くはありません。
上司から言われたから?自分が認められたいから?自分にとってやりたいことだから?キャリアアップをするため?今まで誰もやったことがないから?極めてみたいことだから?自分自身が前向きに行動できることかを考えるのです。ブレない自分がそこにいるなら、チャレンジです。
でも、メリットも価値もよくわからないという場合、どうなのでしょうか。
純粋に自分に期待をかけてみるのはどうですか。やってみなければ、向いているかどうかも誰にもわかりません。もちろん自分自身も分かりません。出来ることから、やり始めれば、良いと思います。教えてもらいながら、助けてもらいながらでよいと思います。だって、赤ちゃんの時は誰でも、歩くことを教わってきたのですからね。行動する中で興味が湧くことも、その仕事の意味も理解できるようになります。その上で、やり続けるかどうかを自己選択すればよいわけです。
期待と願望の違い
小さいとき、明日は運動会、遠足など、「あした天気になるといいな!」と期待した記憶ありますね。でも試験に合格することを期待するとは、言いませんね。試験に合格することを願う。これは願望です。
または、以前から気になっているボーイフレンドから「ちょっと、話があるんだけど。」と言われたら、期待をもちますね。好きだという告白かな、付き合ってほしいとか期待しますね。でも、結果は相手次第ですよ。期待しても自分が何もしなければ、何も起こらないということです。
わたしの期待値とあなたの期待値
期待した通りじゃない。期待した割にダメね。期待を超えてくれると思ったのになど、言いだしたら切りがありません。
親子だろうが、恋人同士だろうが、友達だろうが、互いの期待値に違いがあるんですよ。期待値の完全一致なんて無理なのです。
期待は、自分に課すものかもしれません。期待される側から、期待する側になるのではなく、自己期待できる自分になることを考えたいです。
スポーツ選手自身も、自己期待に応えるために、鍛錬するわけです。目標は自己ベストを出すこと。自己ベストが出たら終わりではなく、自分の可能性を生みだしていくのでしょう。ですから、終わりはなく、塗り替えていくわけです。鍛えぬいていくのでしょう。
または、守備範囲を広げていく。それぞれのポジションを理解し、実践できるスキルを持つために、鍛錬するのでしょう。
自分にとって価値があると思うほど、目標への動機づけは高まります。そして「人は目標達成できる見込みが高いと期待できるほど、動機づけは高まる」そうです。
期待価値理論によれば、人は、目標達成の価値と期待によって動機づけられ、その目標への関与が高まり、努力が増加し、達成に至りやすくなります (J.W.Atkinson)。
自分に期待し、目標を具体的に決めて、その達成に向けて行動計画を策定し、実行する。
自分にしかできないことを自分で気づけたとき、それはあなたにとって価値あることになります。そうなるために、どうすれば良いかは、あなた自身が達成に向けて努力をしていくことでしょう。
努力は、あなたの自己効力を鍛え、セルフエスティームが骨太になります。自分自身を信じることができるようになります。自己期待は、そこから生まれます。