セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるための新習慣㉒
こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。
セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるためのエクササイズをお届けします。
●自分を慈しむこと
新しい一年が始まりましたが、いろいろ大変なことが起こってしまっています。
環境に振り回されて、自分の人生の歯車が思うように回らない日々が続くと、もう努力の限界だと感じてしまうことがあります。
人からポジティブな言葉をかけられても、受け入れられないこともあるし、自分のこころはハッピーにならなかったという経験もあるでしょう。そう、慰めてもらったからといって、心はなかなか癒されません。
また、目標に向かって一生懸命努力しても、うまくいかないこともあります。失敗して傷ついた後に、自分を追い込んだり、自己否定したりと、自分自身を傷つけてしまう。結局、心はズタズタになって動けなくなることがあります。
そんな時、「よく頑張ったね、次があるよ」と言ってくれたり、「これをやり切ったんだもの、大したものだよ」と自分をわかってくれる人からの言葉で、前に向かっていくことができます。
私たちは、無条件の愛情を持った人から優しさを受け取ることで、本当の自分の力に気づき、ベストな状態を取り戻すことができます。
でも、自分自身が無条件の愛情を自分に向けることで同じことが達成できます。「自分を慈しむこと」は、人生を生きる上でとても大事なことなのです。
●自分を慈しむプロセスは3つのステップ
私は、自分の経験を振り返りながら、自分を慈しむ3つのステップを自覚し、かつその重要性を理解することができました。このブログを読んでいただいているあなたに、3つのステップを理解していただくために、私がどのように落ち込みから回復できたかをお伝えできればと思います。
私の幼少から19歳くらいまで、殻に閉じこもることが多かったです。それは「なんで、どうして!」と受け入れられない気持ちを抱えていたからだと思います。誰にも相談することができなかった。この自分の環境に憤りを感じて、ここから逃げようにも逃げられない自分の力のなさに、いら立っていたわけです。でも、そんな気持ちを周りには見せられず、無理に明るく振舞っていましたね。そんなアンバランスな感情のサイクルの中で、もがきながら日々生活していました。
★Step1“受け容れる”プロセス
ネガティブなサイクルの中、デザインの仕事に就き、なんとかしようと思っても、来る日も来る日も同じことを繰り返している自分。ただ時間が過ぎていき、エネルギーを消耗してしまうだけだった。
現実を忘れるために懸命に仕事に打ち込んで、体を壊してしまい入院生活をした時期があった。過労だった。療養する中で体調が少し戻ってからは、ベットでぼ~っとしているだけの日々。最初は、世の中のスピードに取り残されるような焦りがあったように思う。
そんなある時「過去を引きずったまま現実から、逃げていたら何も変わらない。ありのままに受け容れるしかないのだ」と、ふと心の声が聞こえた。たしかにそうだなと思えた時、自分の怒りや不安がありのままに受け容れられるようになって、心が少し軽くなり、自分自身に「そう感じていいんだよ」と自分を許すことができたのだった。
★Step2“苦難はみんなも経験している”と気づくプロセス
自分を受け容れてからも入院生活が続いていた。周りの人たちに意識が向くようになってからは、観察の日々になった。今まで自分の内側の世界で生きてきた私にとって、周りの入院している人たちを観察すると、私と同じように失敗や苦労している人はたくさんいるのだということに気づくことができた。私だけじゃないのだと思えたら、勇気が湧いてきたことを思いだす。
そんな生活の中で、みんなも頑張っているのだから、「今できることは何だろう」と考えてゆくことが重要だと考えるようになった。起きてしまったことを悩むのは時間の無駄。これからできることを考える時間は無駄にはならないはず。今よりちょっと良くなるには。自分は何ができるだろうと考えるようになっていった。
★Step3“自分を励ます”プロセス
数か月の入院生活が終わり、社会復帰してみると、世の中は思っていたほど変化していなかった。そして私は、周りの人たちが同じように失敗や苦労して生きている同士だという視点を持てるようになっていた。ぼ~っと時間を過ごした入院生活は、しんどいこともあったが、私に休息を与えてくれた時間と思えば、私にとって心を癒し、そして社会を理解する大事な時間だったと思う。
「一生、自立して生きてゆく」ために、どうするかを考えながら仕事を再び開始した。まだ、女性が働き続けるには、周りの理解が得られにくい時代背景の中、仕事に打ち込んでいた。私は、会社から信頼を得るために、背伸びしながら仕事に取り組んでいたと思う。仕事へのプレッシャーが、否応なく大きなものになっていた。
仕事の失敗は、「やっぱり女だから」と言われたくない、「失敗したら次が無くなるかも」という不安がつきまとっていたが、この現実も受け容れて前に向かって行動できるようになっていた。
やったことのない経験は、出来るかできないかなんて、誰だってわからないのだとある意味開き直ることもできる自分。自分を成長させるには、やってみるしかない。「ダメ元」なのだ。「今まで、できてきたのだから、こんどもきっと乗り越えられる」と自分自身を励ます私がいた。
そうしていくうちに、頑張っている自分を認めることが少しできるようになり「よく頑張ってきたよ」「失敗は自分を成長させる大事な出来事だ。失敗を学びとして前に向かっていこう」と自分に語りかける言葉が心に浮かんでいく。失敗しても良い経験だと思えるようになっていった。
●落ち込みから回復する力をつけましょう。
自分を慈しむ(セルフ・コンパッション)というプロセスについての3つのステップはお判りいただけましたか。
1現実を受け容れる、2苦難はみんなも経験している、3自分を励ます。文章に書いてしまえば、なんてことはないのですが、実際にできるかと言えば、そう易々とはできませんね。私自身もずいぶん長い時間がかかりました。
次回は、自分を慈しむワークについて、書いていこうと思います。