セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるための新習慣⑲
こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。
セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるためのエクササイズをお届けします。
「頑張ってしまう」の原因は?
前回のブログは、「頑張ってしまうDNA」のお話でした。今回は、その「頑張ってしまう」脳内命令の呪縛から、自分を取り戻す方法をお伝えします。
さて。あなたはなぜ頑張ってしまうのでしょう?! そこにはあなたを駆り立てる「5つのドライバー」が、あなたを追い詰めているのです。心理学では、本人を過剰な努力に走らせてしまう脳内命令として、「5つのドライバー」が知られています。ドライバーによる行動が「過剰労働をして肉体的故障に追いやる」など、自分を苦しめる契機にもなる場合があることが分かっています(Stewart,I. 1989)。
幼児期に養育者から「していいこと」「してはいけないこと」を教えられ、それを実行することで、自分のドライバーになっていくと言われています。その5つのドライバーは、「完全であれ」、「他者を喜ばせよ」、「一生懸命やれ」、「強くあれ」、「急げ」の5つです。そういえば、小さい時には、よく「早くやりなさい!」「勉強を頑張れ」などと言われていたような記憶もあります。
5つの脳内命令の、「他者を喜ばせよ」は、気配りする傾向・他人の評価を気にする傾向であり、「一生懸命やれ」は、自己決定したい傾向・努力することに意義があると考える傾向、「強くあれ」は、一人で自立しなければいけないと考える傾向・不信感を持つ傾向・親密になることを避ける傾向、「急げ」は、競争意識をもつ傾向・拡散してしまう傾向、最後に「完全であれ」は、この言葉通り完全であれということのようです。このドライバーはプラス面とマイナス面を持っているとされています。
この5つの言葉は、理想的で気持ちの良い暮らしを手に入れるためには、必要な考え方といえます。でも、本人が「辛い」と感じて押しつぶれてしまいそうなら、問題になるのです。
エクササイズ:あなたの「5つのドライバー」を組み替え
自分の人生を未来志向で考えてみましょう。どんな風に生活していきたいですか? 今までは、会社の上司や同僚がどう評価するかを気にしてきたかもしれませんが、自分はどうありたいのか考えてみてください。例えば、仕事が終わったら、気持ちよく「お疲れさま」と言って気兼ねなく退社し、自分の時間を楽しんでいるというのも良いですね。または、家族と一緒にゆっくりとした時間を過ごすこともできるでしょう。現在よりもちょっと良い未来を描く、それを実現するには、今までの自分の「5つのドライバー」の捉え方をちょっと組み替えていくと良いでしょう。
たとえば、
☆1:「完全であれ」
→ 完全なんてありえない、do my bestでいこう
☆2:「他者を喜ばせよ」
→他人からの評価ばかり気にせず、自分の生活を大事にしていこう
☆3:「一生懸命やれ」
→努力は大事だけど、辛いと感じたら、周りに助けを求めていこう
☆4:「強くあれ」
→ 気弱になるのが悪い訳じゃない、自分の思いを語れる時間を作ろう
☆5:「急げ」
→ 焦って、何でもかんでも、急がなくてよいことを知ろう、そしてゆっくり進んでいこう
どうですか。ちょっと組み替えてみると、心がふわっと楽になったと思います。「あらねばならない自分」から、「ありのままの自分」に近づくことになるでしょう。
仕事と家事を一人でバランスをとって頑張ってきた女性たち、そして、長時間労働で頑張ってきた男性たち、5つのドライバーをコントロールして、力強い「未来の自分」を描いてください。
時代が変わり、労働時間で評価される時代は終わりました。自分の時間を自分のために、自分の将来のために有意義に使って、幸せな人生をつかみ取っていきましょう。