セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるための新習慣⑮

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。

セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるためのエクササイズをお届けします。

「すべき思考」が、あなた自身を追い込んでいる。

私たちを取り囲む環境の中で、依然としてモヤモヤ感が抜けない、すっきりできていない感じですね。なんで、どうして、という怒りにも似た感情がふと湧き上がってしまう時が、ちょっと以前よりも増えたように思えます。でも、決して元の世界には戻らないと分かっているのですが・・・、過去を見てばかりいる自分が密かに隠れているのかもしれません。元の世界には戻れない。今を受け入れましょう。

Silhouette of stressed businessman in the office.

自分か創り上げてきた心の掟が、あなたを追い込む

人は、環境が急変し、何か新しい仕事に挑戦しなければならないとき、「小さな間違いや失敗をしたら、きっと非難されるに違いない」、または「完全でないと周りの人は私を受け入れてくれないだろう」と想像してしまいます。しかしそれは見方を変えれば、仕事はきちんとすべきだ、失敗したらダメだと、あなたのインナースピーチがあなたに語りかけているからです。それによって、やり遂げなければならないと自分にプレッシャーをかけてしまっているのです。これは、「こうすべきだ」という自分が生きてきた中で、認知が作りあげた「心の掟」であり、それがそう感じさせているのです。「自分が作った心の掟は、自分で変える」ことができます

他者との完全一致はありえないことを知る

自分の中にある「すべき思考」は、結構あるようにも思います。自分の行動自体が、自分の「すべき思考の心の掟」に合わないことがあれば、「こうすべきだったのにできなかった」と自己嫌悪に陥ったり、罪悪感をもってしまったりします。例えば、誰とでも仲良くしなければいけない、けんかをしてはダメというような、小さい時に親や教師から言われたことが刷り込まれているのは、私だけではないように思います。実際には、すべての人と良い人間関係を作ることは難しいのに、私たちはそうしなければと、懸命に努力をしているのかもしれません。そして、そうできなかった自分に、ダメな自分というレッテルをつけてしまうわけです。

他者との完全一致はありえません。まったく同じ考えの人はいないからです。人間関係の身近な例で、家族で同じドラマを見てもその感想は違うのですから。他者と考え方が違って当然です。それが人間なのです。

一致しないから、折り合いをつける

人の行動を見てイライラしたり、がっかりしたりしてしまうのは、自分の「すべき思考の心の掟」と他者が違うことが原因です。例えば、取引先のメールの返信は1時間以内にすぐ返信すべきと思う人もいれば、自分の仕事が済んでから返せばいいと判断する人もいます。何を大事にするかの違いによりますね。

仕事の中で、部門間や取引先と交渉することもありますね。仕事での関係性をあなたがどう捉えているかがポイントになります。自分がどうしても譲れない「すべき思考」は何なのか。相手が譲れない「すべき思考」は何なのかと言うことになります。そのためには、やはり対話が必要なのです。相手が欲しいものと自分の欲しいものを相互に理解するためです。そこから、すべてが始まります。お互いに共感しあいながら関係性を作る。ある意味、交渉力を育てるということが大事になりますね。

プレッシャーにどう立ち向かうか

別の視点から見ると「すべき思考」は、必要以上に自分自身にプレッシャーを与えて、自分を追い詰めてしまう厄介なものでもあります。行動する前から、失敗しそうだ、失敗したくない、きっと失敗するに違いないとネガティブ思考に引っぱられてしまいます。そして、努力してもけっきょく失敗するのだと結論づけて、やる気をなくしてしまうことになります。さらに、失敗しないためには、「出来るだけ動かないこと」を自ら選択してしまうのです。努力も行動も何もしなければ、確かに失敗はしません。失敗を恐れ、ネガティブ・ループから抜けだせずに、貝の殻に閉じこもるのです。完全か・失敗かといった、出来た・出来ないではない、プロセスを大事にしてほしいです。Step by stepで良いのです。小さな一歩をとにかく踏み出すと楽になります。

ネガティブ思考が浮かんだら…

仕事をしていくうえで、安定している環境は大事です。しかしだからと言って、何でも引き受けてしまうことや、職場の軋轢によって自己犠牲を払って「我慢すべきだ」「我慢しなければならない」と考えてしまうことはありませんか。上司に嫌われたら、辞めさせられてしまうかもと思うと、嫌われないようにしなければならないと「すべき思考」が湧くものです。

他者に嫌われるのが恐いということは、セルフエスティームが弱って、低くなっていると考えられます。自己評価が低くなっているということです。これでは、他者との関係性が対等と言える状態ではないですね。まずは、セルフエスティームを高めることから始めてください。

一人でもできる方法としては、自分の心にネガティブ思考が浮かんだらそれを文章にして書きます。そして、日を改めて、 (友人が書いた文章に対して自分がアドバイスするように) 客観的に読むわけです。まず、それが事実なのか、それとも自分の思い込みなのかを判断しましょう。その上で、親愛なる自分にポジティブなアドバイスを書きましょう。

「こうするべきだ」「しなければならない」のような「すべき思考」で考えるよりも、「こうしよう」「こうしたい」とポジティブに表現する癖をつけましょう。発言をポジティブにすると、気持ちも楽になるでしょう。プレッシャーに振り回されず自己選択していくと、行動も変化していくはずです。