セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるための新習慣⑪

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。
セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるためのエクササイズをお届けします。

●仕事に対する価値観を見つめ直す

コロナ禍によって、働く姿は非日常を未だに続けています。ただ在宅ワークを取り入れた結果、通勤時間がかからず、以前よりも仕事が効率的になったという利点も生まれました。しかし、急激な変化によって新たな問題も出てきています。


コロナ禍による密集を避けるためにリモートワークが主流になり、一日中1人でパソコンを前にひたすら仕事をして、今日誰とも話していない自分に気づき、このままでよいのかと将来に不安を感じてしまう。常にパソコンは身近に置かざるをえず、上司からいつ指示が来るかもしれないと思うと落ち着かずリラックスできない。または仕事をいつ終了するか考える時、上司や周りの仲間の動向が気になって判断に迷うなどの声が聞こえてきます。


あらねばならない「職場での自分」と「自身のありたい自分」がこころの中でぶつかっているようです。仕事とプライベートの切り替えができないことで、いつまでもすっきりできない状態をどうしたらよいかという悩みが、生まれてきています。
不確実な環境で働いてきた今、疲労感が抜けず精神的にも疲弊してしまう可能性が高くなっているのです。もし、こころの疲労感を感じているなら、あなたの仕事に関する価値観に変化が起こっていると考えられます。

なぜなら、自分の人生で大切に思っている(個人としての)価値観と、仕事上で大切に思っている(職業人としての)価値観が食い違えば、精神的に疲弊してしまう可能性が高くなることが分かっているからです。

実際に医療の世界で、個人的価値観と職業人的価値観でズレが生じるケースが多数みられています。カナダ人医師3,200名を対象にした調査で、個人としての価値観と職業人としての価値観が矛盾している医師を特定したところ、極度の疲労や医療ミスの可能性を予測することができたのです。(仕事の量、価値観、極度の疲労:医師との関連性. Leiter, M. P.; Frank, E.; Matheson, T. J. Demands, values, and burnout: Relevance for physicians. Canadian Family Physician. 2009, 55(12), 1224 ─ 1225, 1225.e1 ─ 6. PMCID: PMC2793232.)
人は、生死に関することや、人生の転機と出会った時、今までの自分の価値観を見直す、または自分の心の奥にある価値観に気づくことがあります。コロナ禍による生活の変容は、まさに自分の価値観に気づくきっかけになっていると考えられます。だから今、自分の価値観を再構成するために時間を持ってはどうかと提案したいのです。
将来に不安を感じて、気持ちがゆれている自分がいる。それは、仕事に対する価値観に課題があるのかもしれません。

●個人的な価値観と職場での価値観を一体化させる方法


個人としての価値観と職業人としての価値観が一致していると、人生の満足感や充足感が得られることが分かっています。しっかりと生き抜いていくために、まず仕事に対する価値観を見極めるため、「仕事で大切に思っている価値観」について、2023年のスタートする今、一緒に考えてみたいと思います。
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①あなたにとって、仕事をする上で大切に思っていることを表す単語を思いつくままに15個記録する
リラックスして音楽を聴きながら仕事で大切に思っていることを表す単語を考えてみましょう。例えば、責任、真実、高潔、信頼、成長、誠実、感謝、熱意など、思い浮かぶかもしれません。「私の一番こころの奥深いところにある価値観とは何か」を自分に問いかけて、頭に浮かんだ言葉をリストにして記録します。 思いつくままに、出し切っていきましょう。
単語を選ぶ目的は、言葉に内在している自分が大切にしたい意味や思いを知ること。
ここで選んだ単語の裏にあるその意味や、そこに見出す価値とは何かもあわせて記録します。なぜなら、同じ単語を選んだとしても、その解釈は人それぞれだからです。誰一人として同じ解釈では無いはずだから。自分はなぜその言葉に価値を置くのか、どのような行動が自分の選んだ言葉の意味なのか。じっくりと内省して記録していきましょう。

②記録した言葉を1週間かけて5個以下に絞り込む。
毎日2分くらいの時間でよいのです。途中で単語を書き換えても大丈夫です。リストに残っている3~5個の単語から、ビジネスに対する自分の大切に思っている価値観を再認識することができるでしょう。その価値観を仕事に活かしていくには、どうしたら近づけるか、その可能性が見えてくると思います。

③次に、自分の人生で大切に思っていることを表す単語を思いつくままに15個記録する
仕事をするうえで大切に思っていることと同じようなプロセスで選んでいきます。この時は、プライベート自分自身が人生で大切に思っていることにフォーカスします。仕事での単語は見ないで、リストを作ってください。楽しみながら自分を知る機会になるでしょう。
④自分の人生で大切に思っていることを記録した言葉を1週間かけて5個以下に絞り込む
毎日2分ほどかけて、人生で大切に思っている価値観を再認識していきましょう。
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職場での価値観と個人としての価値観を再認識して、それぞれ何が大事なものだったかを明確にして、その上で仕事でも個人でもその両方にとって、大切に思っていることは何かを見つけてみてください。どんな行動でそれを表していくか見出す機会になればと思っています。私も、見直していますよ。皆さんはどんな単語で、どんな思いがそこにあるのでしょうか。
価値観は、今まで大事だと思っていたことが、年齢を重ねていくうちに小さくなっていくものもあります。しかし、人生を振り返ってみたら、いつも自分が選んだ道には、同じ価値観があったりもします。自分にとって大切だと思うことを思っているだけでなく、行動(言動も含む)で表すことで、自分自身が自分を大切に生きていることを実感し、人生を今以上に充実させていけるようになります。