セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるための新習慣⑥

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。

セルフエスティーム(自己肯定感)を高めるためのエクササイズをお届けします。

●不安を味方につける

不安や恐れを伴うネガティブな経験は、できたら避けて通りたいと思ってしまうものですが、自身のためには、自分のアイデンティティ発達を促し、人生の意味や目的を探求する機会を与えてくれる、貴重な経験と捉えることができます。それによって自分の価値観や大事にしたいものに気づくチャンスになるのです。今ある不安とゆっくりと向き合いながら、自分の人生にとってのその経験の意味を理解し受容することで、自己肯定感も高くなります。不安は、どうありたいか、そしてどうしたらよいかを教えてくれるサインになります。

それでは、不安と向き合う簡単なエクササイズの取り組んでみましょう。

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①今、ご自身でモヤモヤした不安を書き出してみてください。

たとえば、人と対立するのが恐い、大勢の前で話すのが不安だ。泳ぐのが恐い。コロナが恐い。・・・など、など色々浮かんできたことをメモしてみます。

②書き出したら、一つ選んで、こっそりと声に出して言ってみます。

ただし、この時は「私は、~する」のが不安だ、または恐いを必ず言います。「私は、泳ぐのが恐い」「私は人前で話すのが不安だ」「私は、コロナに感染するのが恐い」のように言ってみてください。

③次は、「私は人前で話すのが不安だ」と言った後に、次のように言ってください。

私は人前で話したいのにうまくできないことが恐いのだ」。ご自分でも声に出して言ってみることで、自分は何を怖がっているのか、自分はどうしたいのか、どんな人間になりたいのか見えてきますね。声に出して言う意味は、自分自身に言語化して言い聞かせるためです。 

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ここ2~3年の世の中の劇的な変化から、モヤモヤとした不安、いら立ち、不信などの感情を呼び起こしされたのではないでしょうか。このような、あなたの心に沸き立つ不安感情は、あなたに何かを伝えるメッセージと捉えることもできます。

モヤモヤとした不安や恐れは、人間なら誰でも感じます。ご存じのように、本能的に自分を脅威などから守る防衛機制のためなのです。森で散歩していたら、突然鳥が一斉に飛び立った時、何か危険が迫っているかと身構えて、息をのんで周りをじっと見る、なんてことも防衛機制です。対処の仕方が分かっていれば、さほど怖くないものです。しかし、このところの予測が難しいような出来事が起こる中で、この社会は今まで通り維持できるのか、生活はこのままで大丈夫なのか、会社が倒産してしまうのではないか、学校がこんな状態で子供の学びは大丈夫なのか、企業が人を取らなくなって就職氷河期になってしまうかもしれないなど、次から次へとイメージが膨らんでいき、より大きな不安や恐れを生んでしまいます。なぜ私たちの心にネガティブ感情が次から次へと湧くのでしょうか。それは、人間の想像力―イメージの力―が生みだしています。ネガティブな状況をイメージすることで、何が起こっても良いように自分自身を守る方法を考えているためです。しかし大事なことは、イメージに振り回らされのではなく、現実の状況を把握したうえで、自分を守るための対処方法を考えて行動していくことですね。

「状況をコントロールする術を自分は持っている」そう思える事が、セルフエスティームを維持するのに重要なこととなります。

また、不安を別の角度から捉えてみると、あなたの在りたい姿や、大切なものを守りたいという気持ちがこの「不安感情」の裏にあると考えられます。私たちは、漠然としながらも、希望や願いを持っています。自分の潜在的に抱いている願望がなにかしら揺らぐと、「不安」という感情で私たちに気づかせるのです

例えば。あなたが上司から大事な取引先のプレゼンテーションを任されたとしましょう。あなたは、プレゼンテーションの経験が少ないので、うまくできるかとても不安になります。ですから「なんで上司は私にやれと言ったのだろうか」と上司に対してネガティブな感情が湧くかもしれません。でも、実際は自分が不安を感じているのは、「プレゼンテーションがうまくできる自信がない」と思っているからです。では、自分のその気持ちを掘り下げてみましょう。「うまくできる自信がない」ということは、「自信があったらプレゼンする」と言っているようにも聞こえますね。つまり「できるものなら、プレゼンテーションをうまくやりたい」と思っているのです。つまり、この不安は、自分が課題をこなしたい、さらには自分の評価を高めたいという潜在的な願望が揺らぎとして、不安感情に表れているのです。不安感情は、あなたの潜在的な願望が、心の揺らぎとして反映されていると考えられます。自分の願望を揺らぎのままにとどめず、プレゼンテーションの練習をすることで、不安は解消されていきます。

不安をもたらすネガティブな経験は、自分を成長させる機会です。ぜひ、エクササイズに取り組みながら、不安を味方につけていきましょう!