人生って、自分の居場所を探す旅。 あなたはもう見つけましたか?!

最近テレビから聴こえてきた言葉がありました。やなせたかしさんが作詞をした「アンパンマンのマーチ」の一節。「自分は何のために生まれて、何をして生きるのか」という言葉です。今さらながら、心に響きました。

「何のために生まれてきたか」というアンパンマンの歌詞は、1988年テレビアニメでリリースされたテーマソング。その頃は、わたしはアラフォーでバリバリ仕事をしていたので、歌詞については知らなかったのです。

その言葉をいま聴いて、幼い時「何で私がここにいるのだろうか?」という疑問を持っていたことを思い出したのです。もしかすると、あなたも同じような経験があるかもしれませんね。

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。

生まれ育った場所、つまり「自分が安心できる場所」は、世界が広がるにつれて、そして時代とともに変化し、その場所はなくなっていきました。当たり前だと思っていたその場所は、当たり前にあったわけではなかったんだと・・・。

昔は職場、学校、家族、地域など、どこでも「場所×人」があった。そこに行けばどこかに「自分の居場所」が用意されていた。

子供の時は、親が作ってくれた居場所に守られていた。成長するにつけ、親との関係性も変化して、いままでの場所から巣立っていくことになる。

最初から「自分の居場所」はありません。

何度となく「自分は何のために生まれて、何をして生きるのか」を考える機会があったのではないでしょうか。でも、簡単に答えが見つかるわけでもありません。安心できる場所~「自分の居場所」~があって、初めて向き合える問いですね。

いままで居心地がよかったのに、ある日突然、自分の中でその場所に違和感を覚えて、自分がそこにいる意味がないと感じてくる。それは環境の変化かもしれませんし、自分が変化したのかもしれません。

自分が成長して新しい環境に踏み出していく中で、“ヤドカリのように”新しい「自分の居場所」を探してさまよっているようだと振り返りができた人もいるでしょう。

または、いままでとは違う自分の役割に戸惑い、今まであった「自分の居場所」がなくなったと感じているかもしれません。ありのままの自分をさらけ出せる居場所がなくなってしまったのです。

動物だったら、今いる場所が危険だと察知した感覚なのかもしれません。安心できる自分の居場所を探せという警告なのかもしれませんね。

自分の居場所が見つからない

昔は「場所」の中に人が沢山いたのですが、今は、職場、学校、家族、地域などの「場所」に人がいなくなりました。核家族、リモートワーク、オンライン授業、そしてオンライン会議などと、多くの人と直接つながる場所そのものが、減っている。いまはSNSの中で、個人対個人が浅くつながっていると言えます。

昔の「多くの人との場」は、気が合わなそうな人もいましたが、気の合う人もいたものです。いろいろな人がいるから、そこで自分の得意や苦手、興味や価値観を自ずと知る機会が持てました。その経験が、「自分の居場所」を見つける手掛かりになったのだろうと思います。

いまは「場所」に代わって、SNSで人と人が薄く繋がっています。SNSでのつながりはあるものの、心の拠りどころとなる「場所」とは感じにくいですね。SNSには、いろいろな意見や価値観の違いがあり、自分はどこにも属していないと劣等感を感じたり、自分の価値を認識できなかったりして、孤独感を覚えるかもしれません。

懸命に生きているのに、誰も褒めてくれない、共感してくれる人がいない、誰も認めてくれない。自分の価値を認識できず、わたしは何を求めているのかと問いかけたくても、安心して話せる機会もない。

日々暮らす中で隣人との関係性は希薄になり、誰とも話さず一日が終わることもあるでしょう。そんなとき、今の気持ちを分かち合いたいと思うはずです。 

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自分の居場所ってどんなところなのかを考えてみてください。

自分が受け入れられていると感じられる場所は、自分の居場所でしょう。自分の意見や感情が否定されないで認めてくれる人たちがいる場所は、心の拠りどころとなります。

自分が何か役割を担っていると感じられる場所も居場所なるでしょう。誰かの役に立っている、必要とされていると感じることで、その場所に自分が存在している意味を見出せるからです。

精神的にリラックスでき、ありのままでいられる場所は、自分自身を癒す場所であり、自分を内省できる居場所になります。自分自身を振り返り、自律的に生きていくための心を休める場所になります。

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あなたの居場所を自分で作っていく

自分は何のために生まれて、何をして生きるのかを見つけるために、自分の居場所は必要です。でも、時と共にあなたの居場所は変化していきます。自分の居場所に物足りなさを感じることもあるでしょう。自分の居場所に嫌悪を感じることもあるでしょう。自分の居場所に脅威を感じることもあるでしょう。自分と語り合う時間を大事にしたいですね。

自分の居場所は、与えられるものではありません。自分で探す、探索する、ネットで検索する、人に訊く、など行動して見つけていきます。

一番大事なあなたの居場所は、あなたが「あなた自身で居られる場所」といえるでしょう。別の言い方で言うなら「自分に戻れる居場所」ですね。何も考えずに、ボ~っとした状態で居られる場所です。自分の人生はどう在りたいかを考えることができる居場所。

この感覚を素直に感じれる場所探しから、始めます。ひとりで居られる場所を 最初に1つ作ります。あなたにとっての特別な場所です。緑がいっぱいある公園のベンチかもしれません。町のはずれにあるカフェかもしれません。居心地が良い場所の中で、自分のために時間を使える場所が、あなたにとっての「自分に戻れる居場所」になると思います。

わたしも、「自分に戻れる場所」を持っています。散歩している時間もそうですし、じっくり考えたいときはカフェですね。誰からも邪魔されない時間が至福の時です。自分でじっくり考えて自分で決定していくことが、人生を面白くしてくれます。どうしていきたいかを考えることで、次の目標がおぼろげに見えてきます。どんな人生にしたいのか?なにをやりたいのか?なにをやらないのか?わたしが決めればよいことです。

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ヒトには自分の居場所が必要です。いろんな居場所の中で、自分らしく居られることが、人生を豊かにしてくれると思っています。

いろいろな場所であなたの居場所を見つけていく。その一つ一つがあなたの冒険旅行になると思えば、楽しいではありませんか。そこには、あなたの興味、あなたが大事だと思っていることに共感する仲間がいるのです。

そう、人生は、自分の居場所を探す旅です。自分の使命や役割の中で、自分の居心地の良い場所を作っていく。共感しあう仲間との居場所、自分に戻れる居場所、社会に貢献できている居場所などいろいろとありますね。

「何をして生きるのか。どんな役割を担いたいか。」を考える時間が大事なように思います。

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「自分は何のために生まれて、何をして生きるのか」

一つの答えがあるわけではないですね。自分で導いた答えで、人生が動くわけです。「何ができるだろうか?」を考え続けることが、自分の人生を刻んでいくことになるのでしょうね。