「今の自分を変えたい!」 でも、どう変わりたいのか分からない、あなたへ

自分のことも他人のことも分からないと思っている若者たちが多いという調査結果ありますが、私たちは、一生をかけて自分は何者かを探しているのかもしれません。そして一方で、一生を通じて安心できる仲間/コミュニティを求めるために、他者を理解しようとしているのかもしれません。

こんにちは、日本セルフエスティーム実践協会(JSELジェイセル)の小西です。 

性格診断や占いに魅かれてしまう、わたしたち

自分を知るために身近なところで、巷にはたくさんの性格診断なるものがあります。SNS上で「あなたのタイプが分かる性格タイプ」とか、「○○占い」など、そして「あなたの適職が分かるテスト」などが目に入りますね。物事がうまくいかなかった時や、心の中で迷っている、気持ちが揺らいでいると、救いを求めるように、ふと試してみたくなることもあります。心の揺らぎを鎮めるため、新たな自分を見つけるため、自分の強みを見つけるために・・・。

性格診断は、一般的にあなた自身が、複数の質問項目から選択した回答の結果です。そして、そこから導きだされたあなたのタイプについて、解説が書かれています。その書かれたことが、自分自身の認識と合っているように感じられるわけです。

そして、その結果を仲間に話したり、共有感を味わったり、相手の結果を聞いてちょっと相手を理解できたように思えて、相手との関係性が近くなったように感じたります。

しかし、「そんなに簡単に自分や相手のことが解かるわけがない」ということは理解しているものの、ひそかにその結果に満足したり、その診断を楽しんでいる自分もいるわけです。自分や相手のことを知るために、性格判断は手っ取り早いツールと思っているのかもしれません。

*

若者は性格判断は好き、それに何を求めているのか

この性格診断は、歴史の中で形を変えて流行り続けてきました。古くは、フロイトの夢診断、血液型診断、星占い、そして動物占いなるものもありました。最近では、MBTIのアプローチのような性格タイプ診断―16personalties―というものが、若者たちの間で人気があると報道されていました。 

「自分を知りたい」という欲求

もしかすると、若者たちの「自分を知りたい」という欲求の一つの解決方法が、性格判断という方法で、簡単に「あなたは○○だ」という答えをだしてくれることに、ある程度の満足感があるのでしょう。

若者の「自分を知りたい」という欲求は、最近の若者の意識調査データから読み解くことができます。

「自分を高く評価できない」と考える高校生が8割

令和5年6月の国立青少年教育振興機構による「高校生の進路と職業意識に関する調査報告書 -日本・米国・中国・韓国の比較-」 では、日本の高校生は、「いまの生活には満足している」と回答した割合が84%に達し、4か国の中で最も高いのですが、一方「自分はダメな人間だと思うことがある」と回答した割合は、8割弱と米・中・韓よりも高かったのです。

「いまの自分を変えたい」は77.8%と、中国に次いで高く、「周りの人の意見に影響されるほうだ」も 73.7%と4か国中最も高くなっていました。

4か国中最も低かった回答は、「自分にはどのような能力・適性があるか知っている」「いまの自分が好きだ」「相手が誰であっても自分の意見を言える」というもので、自分の能力が分からない、自分を好きになれない、自分の意見を他者に言えないという自己評価の低さがあり、そこに「いまの自分を変えたい」という願望が見えてきます。

じつは、社会人も同じ!「いまの自分を変えたい」

「自分の能力や適性がわからない」、「自分の意見が言えない」という結果は、若者だけに限ったことではありません。

私はキャリアカウンセリングを担当して、様々な話を聴いてきました。たとえば、社会人になってから、配属された部署で上司の指示で仕事をしてきたが、自分にどんな能力が身についたのかを認識できないという思いを語る相談者は多いです。自分がやりたいという専門性を身につけて社会人になっている人もいるでしょうが、多くの人は、自分の適性が合っているのかも判断できずに、生活のため生きるために仕事をしている人も多いからです。

最初はとにかく懸命に仕事をして、その仕事に慣れてきた社会人7年前後で、「自分は、何ができるのか」、「自分のありたい姿って何だろう」という思いが湧くのだろうと思います。

ですから、最近は「今の自分を変えたい」と考えて、「今の職場のままでは、自己成長ができない」。だから、環境を変えなければと焦って、転職を考える20代~30代も増えています。 

かといって、自分の能力や適性が分からないという現状のまま転職活動をしても、その転職はうまくいかないですね。

真剣にいまの自分を変えたいと考えるのなら、いまの自分を知るために、自ら行動に移すことが肝心です。

そんな時は、適職テストやMBTIのアプローチのような性格タイプ診断―16personalties―など試してみるのも、一つの足掛かりになるかもしれません。そこに答えがあるわけではありませんが、自分の仕事経験を振り返りながら、自分と語る―内省する―時間を持つことができるでしょう。その中で、自己効力感を感じる経験があるものです。

ちなみに、私も性格タイプ診断―16personalties―をどのようなものかとやってみました。じつは以前、正式なMBTIの認定を取り、自分のタイプを検証した結果がENTJというタイプだったので、物は試しとネット上で展開されている16personaltiesをやってみたわけです。

その結果は、16タイプの中からINTJ【建築家タイプーここの診断では、このような表現で解説してありました】ということでした。詳しいことは、ここでは語りませんが、以前の環境からより自分らしい環境に変化できたことが、この結果になったのだろうと思えました。そして自分自身の行動と思考についてのコメントにも、しっくりきましたし、新しい気づきは得られたように思います。結果を信じるということでなく、自分を俯瞰して眺める機会になると思いました。

「自分の能力や適性がわからない」ままでは、あなたの未来は描けない

仕事をしてきた数々の経験は、あなたの能力を伸ばしているはずです。でも、心を閉ざし無表情に仕事をしていたら、あなたの仕事経験は、能力を伸ばす機会を自ら捨ててしまったといえます。

失敗したことが、あなたに影響を与えて、心を閉ざすことにつながったかもしれません。けれど、初めてやることは失敗するのが当たり前です。その失敗から分かったこともあったはず。失敗をバネにして、糧にしていくことで、あなたの人生の方向性を決めることはできます。

あなたの仕事(行動)と、あなたの考え(思考)、そしてあなたの気持ち(感情)の3つを捉える癖をつけます。どんな仕事で何をしているときに、その仕事をどのように捉えて、何が楽しいと感じたかを増やしていきます。そうすることで、成長実感を得る機会が生み出されていくのです。

具体的に経験を言語化する

どんな仕事内容だったか、どんな役割を担ってきたか、どんな失敗をしたか、どんな成功したかを書き出します。そこには、自分の強みや苦手なこと、興味や関心が表れてくると思います。最初できなかったことが、いつしかできるようになっていたことに気づくでしょう。そう、私たちは、自己効力感を持っています。

自己効力感は、自己成長につながる

たとえば、最初はできなくても、経験を積んでできるようになった。その経験によって、まだ経験はないけれど、出来る可能性が高いと自分で思える感覚とでも言いましょうか、それが自己効力感です。

逆に、失敗経験は自己効力感を下げてしまうことになります。しかし、失敗経験の中で出来たことを糧にして、出来なかったことを改善して成長に向かっていく粘り強さこの「ここまでは出来たという経験」が自己効力感を生み、さらに自分を成長させていく力になります。失敗は成功への足掛かりと捉えることが大切です。

この自己効力感を伸ばす方法として、4つあることが分かっています。

  • 1つ目は、困難なことでも自分で努力してやり遂げた経験があると、新たな困難もきっと同じようにやり遂げられそうだと思って、チャレンジしていく。
  • 2つ目は、自分と同じような友人や同僚が出来た、親がやってきた経験を観察してきたことで、きっと自分もできそうだと思って、チャレンジしていく。
  • 3つ目は、他者、たとえば親、先輩、上司などからポジティブなフィードバックをもらったり、アドバイスをもらった経験から、自信や勇気を得てチャレンジしていく。
  • 4つ目は、ドキドキワクワクの高揚感や、目標をもってその達成を想像して、チャレンジしていく。

小さい時に初めてやり遂げたことは、どんなことでしたか?何でやり遂げられたのでしょう。「あいつができたのなら、私もできるはずだ」と思った経験はありますか? あなたを助けてくれた人、あなたを励ましてくれた人も思い出すはずです。

過去の出来事は、簡単に思い出せないものなのです。みずから、一つひとつ自分の人生物語をつづるように、思い出していくのです。

具体的に書き出せたのなら、先々あなたはどんなことができたらよいと思っているのかをイメージしてみます。

どんな仕事でも、あなた自身がその仕事の意図を考えて、この仕事の目的を理解して行動することが、あなたの次のステップを教えてくれます。そして、何のために今これをするのかと。

あなたの人生は、あなたの可能性の宝箱です。人生は、分からないから面白い。分からないから、チャレンジするのだと思います。

あなたの行動した結果が、未来になります。行動の先に未来があります。ワクワクしますね!!

参考文献:<「高校生の進路と職業意識に関する調査報告書 -日本・米国・中国・韓国の比較-」国立青少年教育振興機構 令和5年6月発行>